フラメンコ講習会2023 Taranto

 2023年3月26日(日)、私のYoutube企画「ビバ!やまぐち」の撮影に合わせ、2年振りに第6回講習会を開催しました。この度も日本フラメンコ協会専任理事の片桐勝彦氏を講師に迎え、曲種タラントについてお話いただき、ギターに合わせて実際に踊る機会を作りました。

 この曲種の特徴は、歌詞に対してのリズムの最小単位であるコンパス※1の長さがきっちり決まっていないところ。歌い手は心に任せ、その時々で歌の長さを延ばしたり縮めたりします。ということは、踊り手(とギタリスト)はその長さの変化に合わせ、動き(やメロディー)を延ばしたり縮めたり付け加えたりし、即興の対応で演じねばならなりません。
 その他この曲種には、歌い手が歌の間に一呼吸入れるところを狙い、踊り手が『コンテスタシオン』と呼ぶ応答を入れ、歌い手はその応答を受け取ってまた歌い出すという特徴があるので、互いの阿吽の呼吸を楽しめるとても踊り甲斐のある曲である反面、応答が歌い手に届かなかった場合を考えると、練習生達にとっては、心臓が口から出そうなほど緊張感を持って踊らねばならない時もあります。

 レッスンでは一番判りやすい応答の仕方を伝えているので、生徒達はこのタラントの特徴に実は対応できており、さすが!と思ったりするのですが、自由と聞くほど不安を感じるのが人間。やっぱり本当にできているのか否か自信が持てません。そこで、弾き手の立場からの、ギターや歌からの複数の判断材料を講習をしていただき、その直後に実際にギターに合わせて踊る実践をしました。

 残念ながら、内容は参加者のみ知る特権として細かくは記載しませんが、なかなか知る事ができない話もあり、講習会の後の生徒達は爽やかな顔に理解の深さが表れていました。実際に曲種の特徴が良く解ったとのこと。さすが片桐氏だけあり、引き出しの多さに、この度も無理していただいてでも開催して良かったと思う講習会となりました。地方に居ながらしっかりと学べる環境を提供できることに、有難さを感じます。

講師 MIYO

※1 フラメンコにおけるリズムの最小単位。関連する記事フラメンコのリズム


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